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加湿器や暖房器具を正しく使用しないと思わぬ病を引き起こすこととなる。
ここで1件の症例を紹介したい。
昨年2月、40代男性が咳がとまらないため受診された。私は症状や検査の結果、
肺炎と診断した。咳以外の症状はなく、基礎疾患もないため1週間毎日抗生物質の
点滴を1日1回行った。
本人へ問診をしたところ、夜はよく眠れており、体調も良いとのことだが、
5日経過しても咳がとまらない。再検査したところ、肺炎は全く治っていなかった。
抗生物質の点滴は連続して1週間しか使用できないため、入院可能な病院へ
転院することとなった。入院先の病院では、1日2回の抗生物質の点滴を行い、
1週間の入院により症状が改善したため、退院となった。同じ抗生物質の点滴を
行ったため、回数の問題だろうと判断された。
しかし、退院したその日の夜に肺炎を再発。再度通院し、原因を追及する中で
1つの可能性が浮上した。それは加湿器である。
男性はリビング・寝室・会社と同じ加湿器を置いていた。3台の加湿器に使用する
水の中にカビが繁殖していたため肺炎を引き起こしたのであった。男性は、
浄水器の水を使い加湿器を使用していた。
日本の水道水には、消毒のため殺菌作用のある塩素が含まれている。塩素が
含まれていない浄水器の水やミネラルウォーターは雑菌が繁殖しやすいため
特に注意しなければならない。
水を飲むのであれば、浄水器の水やミネラルウォーターでよいが、
手洗いや加湿器に使用する際は、必ず水道水を使ってほしい。
加湿器にカビが発生する理由はいくつか考えられる。加湿器内部の汚れや
水を変えずにつぎ足して使用することである。カビを発生させないためには、
こまめな掃除と水の取替えが重要である。
次回は良い加湿器の見分け方についてです。